不動産は条件によって寄付が可能ですが、実際には受け入れ条件が厳しく、思うように進まないケースも少なくありません。
自治体や団体への寄付の違い、税金や費用の注意点を知らずに進めると、かえって負担が増えることもあります。
本記事では、不動産の主な寄付先や注意点に加え、寄付が難しい場合の手放し方や活用方法まで、現実的な選択肢を整理して解説します。
不動産の寄付先をお探しの方は
ハローホームへ
不動産の主な寄付先

不動産は寄付という形で手放せる場合がありますが、どこに寄付するかによって、進め方や受け入れのハードルは大きく変わります。
代表的な寄付先としては、以下の4つが挙げられます。
- 自治体への寄付
- 公益法人・NPO法人への寄付
- 認可地縁団体(自治会・町内会)への寄付(譲渡)
- 個人への寄付(譲渡)
まずは不動産の寄付先でどのようなケースがあるのか紹介します。
自治体への寄付
自治体への不動産寄付は制度上は可能ですが、実際には慎重に判断されることが多いのが実情です。
公共施設や道路用地など、具体的な公共利用が見込まれることが前提となります。立地や用途が限られる土地の場合は、管理や維持の負担が大きくなるとして、受け入れを断られるケースもあります。
そのため、寄付を検討する際は、あらかじめ自治体の担当部署に相談し、想定される用途や受け入れ条件を確認しておくことが重要です。
公益法人・NPO法人への寄付
公益法人やNPO法人への寄付は、社会貢献を意識する人に選ばれやすい方法です。不動産そのものを活用するというより、売却して得た資金を教育や福祉などの活動に充てるケースが一般的です。
遺贈寄付として検討されることもありますが、すべての不動産が対象になるわけではありません。団体ごとに受け入れ基準があるため、事前の確認が必要です。
認可地縁団体(自治会・町内会)への寄付(譲渡)
認可地縁団体への寄付は、地域での利用が見込まれる場合に検討されることがあります。一定の条件を満たした自治会や町内会は法人格を持ち、土地の名義を受け取ることが可能です。
集会所や通路など、住民の共有スペースとして活用できる土地であれば話が進みやすい傾向があります。自治体より柔軟な判断がされる場合もあるので、相談するのも一つの方法でしょう。
個人への寄付(譲渡)
個人への不動産の寄付は、実務上は無償譲渡として扱われることが一般的です。
譲り受ける側の合意があれば成立しますが、税金や手続き面の注意点は少なくありません。贈与税や不動産取得税が関係する場合もあり、口約束で進めるのは避けたいところです。
後のトラブルを防ぐためにも、契約書の作成と登記はきちんと行う必要があります。
不動産の寄付先をお探しの方は
ハローホームへ
寄付が難しい不動産の代表例

自治体や団体が活用や管理に負担を感じやすい不動産の場合、寄付を断られることも少なくありません。代表的な例として、次のようなケースが挙げられます。
- 活用が難しく、将来的な使い道が見込みにくい不動産
- 老朽化が進み、資産価値や安全面に課題がある建物や空き家
- 土壌汚染や周辺環境の問題に対応が必要な不動産
- 無許可で開発・改修され、法的な整理が必要な不動産
寄付先では、公共的に利用できるか、新たな活用が見込めるかといった点が重要な判断材料になります。
不動産を寄付する際の注意点

不動産は寄付という形で手放せる場合もありますが、事前に知っておきたい注意点があります。内容を十分に確認せず進めると、税金や費用の負担、思わぬトラブルにつながることもあります。
特に、以下の点に注意することが重要です。
- 税金や費用が発生する場合がある
- 登記費用・測量費などは実費負担になる
- 契約書を交わしておく
不動産を寄付する際に押さえておきたい注意点を詳しく解説します。
税金が発生する場合がある
不動産の寄付は無償で行うケースが多いものの、必ずしも税金がかからないわけではありません。
状況によっては、贈与税や不動産取得税、譲渡所得税が発生する場合があります。寄付だから安心と思い込むと、後から負担が生じることもあります。
寄付先や契約内容によって扱いが変わるため、「無償=非課税」とは限らない点を理解しておくことが大切です。
登記費用・測量費などは実費負担になる
不動産を寄付する際には、名義変更に伴う手続き費用が発生します。
所有権移転登記の登録免許税や司法書士報酬などは、寄付であっても免除されません。また、境界が確定していない場合は、測量費が必要になることもあります。
寄付そのものが無償でも、周辺の実費負担は避けられないため、事前に費用感を把握しておくと安心です。
契約書を交わしておく
不動産の寄付では、引き渡し後の管理責任を巡るトラブルが起こることもあります。口頭の合意だけで進めると、引き渡し時期や修繕の扱いなどが曖昧になりがちです。
こうしたリスクを避けるためにも、契約書を作成し、条件を明確にしておくことが重要です。
寄付であっても書面を残すことで、双方が安心して手続きを進められます。
不動産の寄付先をお探しの方は
ハローホームへ
寄付できない不動産を手放す方法

寄付が難しい不動産でも、状況に応じて手放す方法はいくつかあります。代表的な方法としては、以下の手段があります。
- 不動産会社を通して売却する
- 相続放棄を検討する
- 相続土地国庫帰属制度を利用する
それぞれの方法や注意点を順に解説します。
不動産会社を通して売却する
寄付が難しい場合でも、不動産会社を通じて売却できるケースはあります。
一般的な仲介で買い手が見つからなくても、条件次第では買取や専門業者の対応が可能なこともあります。価格は下がる傾向がありますが、早期に手放せる点はメリットです。
管理や税負担を続けるよりも、売却という選択肢を一度検討してみる価値はあるでしょう。
相続放棄する
相続によって不要な不動産を引き継ぐ場合、相続放棄という方法も選択肢の一つです。
相続放棄をすると、不動産を含む一切の相続財産を受け取らない扱いになります。ただし、預貯金などのプラスの財産もすべて放棄することになる点には注意が必要です。
また、相続放棄は「相続の開始を知った日から3か月以内」に家庭裁判所で手続きを行う必要があります。期限や手続きが決まっているため、早めに専門家へ相談することが重要です。
相続土地国庫帰属制度を利用する
相続土地国庫帰属制度は、相続をきっかけに取得した土地について、一定の条件を満たせば国に引き取ってもらえる仕組みです。相続した土地を管理できず、手放したいと考える人が増えていることを背景に創設されました。
対象となるのは、売買や贈与ではなく、相続によって取得した土地に限られる点が大きな特徴です。そのため、生前から所有していた土地や新たに購入した土地は対象になりません。
また、制度の利用にあたっては負担金の支払いが必要になる場合や、土地の状態によっては申請できないこともあります。制度の要件を確認した上で、一つの選択肢として検討するとよいでしょう。
寄付できない不動産を活用する方法

寄付や売却が難しい不動産でも、使い道がまったくないとは限りません。不動産を活用しながら保有するには、以下の方法が考えられます。
- 土地を借地として貸し出す
- 空き家を賃貸として活用する
状況に応じた活用方法も見ていきましょう。
土地は借地として貸し出す
寄付や売却が難しい土地でも、借地として貸し出すことで活用できる場合があります。
建物が建てられない土地であっても、立地や条件によっては駐車場や農地、墓地、太陽光発電用地として利用されるケースがあります。
すぐに売却できなくても、将来的な処分を見据えながら収益や管理負担の軽減につなげられる点がメリットです。
空き家は賃貸として活用する
空き家も、寄付や売却が難しい場合には賃貸として活用できる可能性があります。
一定の修繕や設備の見直しは必要になりますが、人に住んでもらうことで建物の劣化を防ぎ、管理の手間を抑えられる点はメリットです。
地域や建物の状態によっては需要が見込めることもあります。すぐに手放すのが難しい空き家の場合、賃貸として活用するのも検討してみましょう。
使用しない不動産を放置するリスク

使っていない不動産は、そのままにしておいても自然に手放せるわけではありません。管理せずに放置してしまうと、費用や責任だけが残り、思わぬリスクにつながることもあります。
特に注意したいのは、以下の点です。
- 固定資産税の負担が続く
- 損害賠償責任を負う可能性がある
- 不動産を放棄しても所有権が消えない
不動産の放置によって生じやすい影響について、順に解説します。
固定資産税の負担が続く
不動産を使用していなくても、所有している限り固定資産税の支払いは続きます。
収益を生まない状態でも毎年費用が発生するため、長期間放置すると負担が積み重なります。空き家や利用していない土地であっても例外ではありません。
活用や処分の見通しが立たない場合は、早めに今後の方向性を検討することが重要です。
損害賠償責任を負う可能性がある
放置された不動産は、周囲に影響を及ぼすリスクもあります。
建物の倒壊や外壁の落下、雑草や害獣による被害などが起きた場合、所有者として責任を問われる可能性があります。
実際に使用していなくても、管理責任がなくなるわけではありません。安全面の配慮を怠ると、思わぬ損害賠償につながることがあるので注意しましょう。
管理にコストと手間がかかる
使用していない不動産でも、所有している限り管理の手間は避けられません。
定期的な清掃や草刈り、建物の点検などが必要になり、状況によっては業者への依頼費用も発生します。遠方にある不動産ほど負担は大きくなりがちです。
放置するほど管理コストや手間が増えるため、早めに対応を考えることが重要です。
不動産の寄付先をお探しの方は
ハローホームへ
まとめ

使用していない不動産を寄付することは選択肢の一つですが、すべての不動産が受け入れられるわけではありません。寄付先ごとの特徴や税金・費用の注意点を理解した上で判断することが大切です。
寄付が難しい場合でも、売却や制度の活用をすれば手放すことも可能です。放置すると負担やリスクが増えるため、状況に合った方法を早めに検討し、無理のない形で整理していきましょう。
不動産の寄付先をお探しの方は
ハローホームへ

